東京大学工学部卒業,同大学大学院工学系研究科修了.1995年電気工学分野で博士(工学)取得.東京農工大学工学部機械システム工学科専任講師,助教授(准教授)を経て2007年より教授.2020年より東京農工大学大学院生物システム応用科学府長を務める.現在,日本エネルギー学会理事,日本太陽エネルギー学会副会長.
主要な研究分野は,地域分散型エネルギーシステムのモデル分析,排熱有効利用,熱駆動ヒートポンプ(吸収冷凍機,吸着冷凍機),太陽エネルギー利用
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地球温暖化抑制というとCO2排出の削減がすぐ言われますが,大事なことは一次エネルギー消費の抑制と考えています.CO2を出さなければエネルギーを無駄に使ってよいわけではありません.無駄なくエネルギーを有効に使いながら,その源を再生可能エネルギーに置き換えることによってゼロエミッションを達成することを目指すべきと考えています.
一方,燃料(熱)から動力を取り出すには,熱力学の法則によって半分以上の熱を環境に排出しなければなりません.その熱を利用可能な温度で回収し,電力と合わせてうまく使うコージェネレーションや熱の多段階利用は合理的なエネルギーの使い方です.人口が増加し経済が拡大した時代には効率の高い大規模集中型電源を利用することが適合していたと考えられますが,日本は人口が減少するフェーズに入り,地域の保続が求められる時代には,地域に根ざしたエネルギー利用形態がふさわしいと思います.経済効率性だけが指標ではなく,地域がそれぞれ分散的に維持されることが多様な価値を次の時代に繋げるために必要です.
それをエネルギー・環境の面から支える仕組み作り(技術〜システム〜社会政策)に関心を持っています.
地域には様々な資源が眠っています.それらを活用して地球と地域と個人の暮らしがいずれも持続性を持ち,豊かであるような社会として”共生エネルギー社会“を模索していきたいと思います.